• 玉浦賢二
  • V-up

2022年11月7日

想い出の言葉とV-upプログラム

みなさんにも、想い出に残る言葉が沢山あると思います。
私にも、長い会社生活の中でうまく行ったこと、失敗したこと、とともに想い出に残る言葉が数多くあります。
そして、これらの言葉は仕事や私生活に、今でも少なからず影響を与えています。
今日は20~30年前に触れた3つの言葉を、今携わっているV-upコンサルティングと関連付けてお話をします。

■「言いたいことを、シンプルに1行の文章で表現しろ」
工場勤務時代、ある部長が発した言葉です。
この部長は、直接の上司ではなかったのですが、普段から私を気に掛けてくれ、私が尊敬していた人でした。
当時、私は工場運営に関する企画書を工場経営会議に、数多く提案していました。
あるとき、私が作成した企画書を見てこの部長が言った言葉です。
部長曰く「伝えたいことを直接的にシンプルに1行で表現し、読み手が“ギクッ”とすれば成功だ」とのことでした。
なにしろ尊敬する部長の言葉ですし、いつも企画書作りで悩んでいたので「なるほど~、そうか」と、新鮮な言葉に触れ、当時感心した覚えがあります。
今の仕事柄、セミナー資料の作成や人前で話をする機会が多くあります。
そんなとき、この部長の言葉をときどき想い出します。
そして読み手や聞き手を“ギクッ”とさせようと心がけます。
(ほんと、これは難しいのですが…)

■「『すごい』『すばらしい』を口に出して言うようにしている」
これはある先輩との、雑談の中で出てきた言葉です。
この先輩はなにごとにも前向きに取り組み、常に明るい性格の人で、当時確か50代半ばだったと思います。
先輩曰く「年齢を重ねるとともに、経験も増えてくる。一見新たなものを前にしても過去の経験が邪魔をし、何も感じなくなる。これではまずいので、敢えて口にすることにより、感動する心を刺激する」とのことでした。
V-up推進を長年やっていると、扱う課題解決事例のほとんどは、正直に言って過去に既に見聞きしたものと類似しています。過去の経験が障害となり、目の前の取り組み事例の本当に良い所を見つけ出す努力を怠ることが多々あります。
「この課題解決は、すごいですね。すばらしいですね」などと、素直に言えない自分がいることに気づく場面があります。
そんなとき、先輩のこの言葉を想い出します。
積極的に良い点を見つけ出し、前向きに感動を口にだすことによって、その言葉を受けた側と私自身が刺激を受けること、これがとても大事だと感じます。
(元来素直でない自分には、口にだすのがちょっと辛いときも…)

■「一人ではできなかったことが、チームで取り組むことにより実現できた」
日産グループでV-upを使い始めてから程無いとき、ある関連会社のV-up事例発表会に招かれた際に、触れた言葉です。
事例発表の後に、チームメンバーが一人ひとりコメントをしました。
その中の一人、40歳半ばの男性の方で、私にとっては名前すら知らない方が、コメントした言葉です。
男性曰く「今まで、これは問題だ、何とかしなくてはいけないと思っていましたが、自分一人ではどうしようもなく諦めていました。でも今回チームで取り組むことにより、会社のルールも変えることができ、問題解決に繋がりました」とのことでした。
当時、私は日産グループ内でのV-upの普及浸透に携わっており、課題解決におけるチームの力を信じていました。
しかし、これほどに実感のこもった言葉をV-upを使う側の方から聞くのは初めてのことでした。
V-up促進という自分の仕事に誇りと、大きな自信を感じた瞬間でした。
(そして今、そのV-upを外部のお客さまへ…)

同じ言葉でも、そのときの自分の立場や環境によって、感じることはさまざまだと思います。
でも、自分のその後の生活に影響を与える言葉に幾度となく触れたことは、なにごとにも代えがたく貴重であり、至宝なときだったと思います。
私も周りの人たちに、想い出の言葉を伝えられるような人間でいたいと、常々思っています。