ブランドに魂を吹き込むデザイン

2021/02/22
  • クルマ・技術
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日産のデザイナーがデザインするのは、クルマの形だけではありません。クルマに付けるエンブレム、ロゴ、モーターショーのブース、ディーラーの店舗、社員章、さらにはユニフォームなど、さまざまなものをデザインしています。そして、すべてに一貫性のあるデザインを与えることで、ニッサンの「ブランド・アイデンティティ」を確立しているのです。「私たちがデザインするものはすべて、大きさや材質が異なります。しかし、一貫したブランドのスピリットを形にするという意味ではみな同じなのです」と空間デザイナーの櫻井浩之は言います。今回はニッサンブランドのスピリット、アイデンティティをデザインする仕事についてご紹介します。

櫻井浩之
(空間デザイン、ブランドエクスペリエンス
デザインを担当)

山本奈男樹
(クルマのエンブレムデザインを担当)

空間をデザインする

日産では、ブランドの一貫性を伝えるため、社屋、モーターショーのブース、ディーラーの店舗などの建物や空間も社内の専門デザイナーがデザインしています。その一人である櫻井は、「こうした空間のデザインには、クルマのデザインの要素を取り入れています。例えば、昨年『日産 アリア』をお披露目したニッサン パビリオンのデザインには、『アリア』のデザインテーマである『伝統』と『革新』の対比を取り入れました」と語ります。

ニッサン パビリオン
ニッサン クロッシング建物内部

デジタル時代ならではのクルマの魅せ方

現在、あらゆる体験が仮想・デジタルな世界と融合しつつあります。「今後は、VRで往年のヘリテージカーや未来のクルマなどの乗車体験をするといったような、バーチャルでお客さまの経験をデザインすることにもチャレンジしていきます」(櫻井)。また、日産はクルマをデザインするときにも最先端のVRツールを活用し、季節や太陽の動きを変えながら、さまざまなシーンでクルマがどう見えるのか、お客さまがどのような体験をされるのかを確認しています。

クルマのアイデンティティを表すエンブレム

クルマには、「NISSAN」のロゴや、「NOTE」や「ARIYA」といった車名、「e-4ORCE」、「e-POWER」などの仕様やグレードを表すエンブレムが付けられています。これらのエンブレムは、そのクルマのアイデンティティを表す重要な要素で、専門のデザイナーが一つ一つクルマに合わせてデザインしています。

歴代のエンブレムデザイン

時代とともに変わるデザイン

2000年頃までの日産車のエンブレムには、クルマの個性によってさまざまな書体、装飾があり、多様なデザインが存在していました。エンブレムデザイナーの山本奈男樹は、「私が入社した90年代は、色どりの豊かな装飾的なエンブレムが好まれる時代でした。例えば当時の『セドリック』、『グロリア』には、金色に縁どられた筆記体の優美なエンブレムが使われていました」と振り返ります。

金で縁どりされた90年代の「セドリック」の車名エンブレム

その後、2001年に地域ごとに差異のあったブランド・アイデンティティをグローバルに統一しました。ブランドロゴを一新し、エンブレムに使う書体や色、さらには表面の仕上げやエンブレムを配置する場所にも統一したルールを設けたのです。そのルールの中で車種ごとにバランスを考えながら細かな配置を決め、デザインを決めるようになりました。

ZとGT-Rはエンブレムも特別

しかし、特別仕立てのエンブレムもあります。「フェアレディZ」と「GT-R」です。先日プロトタイプがお披露目された「フェアレディZ」の車名エンブレムは、初代モデルへのオマージュとしてリア部分に斜めに配置し、書体も筆記体としています。またZの文字と円を組み合わた「Zマーク」も、歴代の「フェアレディZ」から受け継がれています。一方の「GT-R」は、ご存じのようにGT-Rの文字と赤い色差しを組み合わせたエンブレムを使用しています。こちらも伝統ある独自の書体デザインを採用しています。

独自の書体を持つ「フェアレディZ」と「GT-R」の車名エンブレム

光るエンブレム、新しい書体にも注目

また、最新のEV「日産 アリア」には、アルファベットや数字の1文字、1文字を新たにデザインし、色や艶、文字の断面形状などを一新したエンブレムを採用しました。また、フロント部分の「NISSAN」のエンブレムは、新しいデザインと発光機能を組み合わせ、NISSANの文字とリングが美しく光ります。

「日産 アリア」の光るエンブレム
一新された書体の「NISSAN」「ARIYA」のエンブレム

今後、日産の施設を訪れたり、日産車を見かけたりしたときには、ぜひこうした細部のデザインにまで注目してみてください。

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